2018年4月16日月曜日

バイリンガルの人が認知症になると言語はどうなるのか

ある程度の年齢になったら、周りに認知症になった親がいる人を知っている人は多いだろうし、自分の親が認知症だという人も少なくないだろうと思います。  

そして誰でも一度くらいは、自分が認知症になったらどうしよう、なんて考えることがあるのではないかと思います。  

私も認知症のことは他人事ではないので、いつ自分がどうなるかはわかりません。  

私は仕事柄(といってもボランティアですが)認知症の人と接することが多いのです。  一言で認知症といっても、いろんな人がいることは十分わかっているし、ある程度は一般の人よりは知識もあると思いますが、それだけにいろんなケースを見ていて、自分が認知症になったらどうなるんだろう?と考えることがよくあります。  

私の娘がまだ幼稚園に入る前の頃、同い年の子供がいる日本人のお母さん仲間と、よく一緒に子供を遊ばせていました。  みんな子供をバイリンガルに育てたいと思っていた親ばかりです。  

その中のあるお母さんが、まだ小さい娘さんに、将来お母さんが年をとって、アメリカに住んでいるのに日本語しか思い出せなくなったら、誰も周りの人が理解してくれなくて困るから、あなたはちゃんと日本語を勉強してくれと言って、一生懸命バイリンガルになるように努力していました。  

その時他のお母さんたちは、私も含めて、彼女がとても英語が上手な人なので、英語を忘れるわけがないじゃない、と笑っていました。  でも最近そうでもないかもしれないなあと思うようになりました。
  
私がボランティアとしてお世話しているお年寄りは、ほとんどの人が日系人で、半分くらいの人は日本語と英語と両方を話すバイリンガルです。  

普段日本語をほとんど話さない人で、もう80代、90代の人でも、子供の頃に日本語を習って、当時いくらかでも日本語を話すことが出来た人は、いくつも単語を覚えていて、自然と口から言葉が出てくることもよくあります。

認知症になると、大抵の人はすぐ最近の記憶の方から忘れてしまうようになって、昔のことはよく覚えているようです。  

びっくりしてしまったのは、あるおばあさんが、自分の親の名前はちゃんと覚えていて、子供の頃お父さんの名前のことでからかわれたことを、何度も何度も話してくれるのに、何年か前に亡くなられたご主人のことを聞くと、どうしても名前が思い出せないと言うんです。  

元々は他人だったんだから、仕方ないのかなあと思ったりもしたけど、その人は自分の娘さんのことも思い出せませんでした。  

頭の中で、そういうことを記憶しておく部分と、言語の部分がどういう風になっているかはわかりませんが、もし小さい頃に言語を覚えたのではなくて、私のように中学校で英語の勉強を始めて、英会話でも困らなくなったのは大人になってから、なんていう人は、やっぱり年をとって最近の記憶からなくなっていったら、覚えた言語も忘れてしまうんでしょうか? 

私のアメリカ人の夫の親戚の人は、小さい頃に日本で何年か過ごしたことがありました。  彼女はその後アメリカに戻って、ずっとアメリカで暮らしていましたが、年をとって施設に入った時に、日本語しか話さなくて、周りの人が誰も理解できなくて困ったそうです。  

アメリカ人のお友達のお父さんは、若い頃に日本に行って、その後何十年も日本で暮らしていました。  家族では英語で会話をしていたようですが、それでも日本語が堪能でした。  数年前に亡くなられましたが、それでもアメリカに戻られてから20年以上経った後、認知症になった時には、日本語しか話さなかったそうです。  幸い家族の人たちが日本語を話せたので、誰にも理解されないということはなかったようですが、そうでなかったら、ご本人もお世話する人も、大変だっただろうと思います。

何年か前に「ためしてガッテン」で、認知症予防には外国語を話すのがいい、というのをやっていたのを見ました。  確かに外国の言葉を話せる人は、いろいろな脳の機能のテストで、話さない人よりも高得点をとっていたけど、ボケるというのはそう単純なことではないので、バイリンガルであるから大丈夫、というわけではないですね。  バイリンガルのお年寄りで認知症の人を何人も知っているので、外国語説はあんまり期待していません。

英語ぐらいだったら、日本で英語を上手に話す人は大勢いるし、これからももっともっと増えていくと思うから、心配ないでしょうけど、もしあまり耳にすることのない、話す人口が少ない言語を話す人だったら、やっぱりよその国にいるのは年をとったら不安じゃないかなあと思います。

うちの娘はバイリンガルなので、私に何があってもいいように、絶対日本語を忘れないでね!と今から念を押しておいた方が良さそうですね。  


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6 件のコメント:

  1. こんにちは!
    数日分の更新見せていただきましたが、読みたくなってしまいます。
    認知症と語学は密接に絡み合ってそうですよね。
    子供たちは英語の方が強いので私が万が一になったときは日本に送り返されてしまうかも。
    その前に予防しなければ・・・と思います。

    シアトル、学生の頃に友達を訪ねたことがあります。
    スタバ一号店(当時スタバを知らなかった私)に行って妹と遅いでカラーマグを買った記憶がよみがえりました。
    ガムの名所、いつか行くと気が合ったら行ってみたいです^^

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    1. ご訪問ありがとうございます。
      海外にお住まいのようですね。 老後の事を心配する海外在住者は多いですよね。 シアトルに是非またいらして下さい! ここ何年かで随分街の雰囲気が変わりましたよ。

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  2. こんにちわ。仰るようにバイリンガルでも認知症にはなるようです。パースにいる娘も知人の話をしていましたが、英語の生活に慣れて日本語を忘れるほどの人が認知症になったら...日本語しか話さなくなり困ったそうです。やはり昔の言語に戻る確率は高いそうですね。
    私は日本の中にいるので考えたこともありませんけど。(本当はパースに永住のはずでしたが)
    まだ認知症のことは研究途中のことですから、色んなパターンがあるんでしょうね。
    昔はこんなに長生きしなかったので、知られていなかったんでしょうね。
    長生きする時代ですから、認知の人が増えるのも間違いないのでしょう。

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    1. 外国語を話すことが認知症の予防に100%役立つなら頑張っちゃいますけどねえ。  いろんな原因がありますからね。  海外移民でも同じ民族の結束が固い人たちは、お年寄りが多くても問題ないのかもしれませんね。  日本人はあまり期待できません。  

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  3. 外国語が認知症には役立つお話、
    父、外国畑を歩いてきた元駐在員ですが、
    83歳になり、少し認知かな?と思うことが起き始めました。
    昨日一緒にBSの英語の番組を見ていたんですが、
    英語を聞いて笑っていましたから、
    若い時に身に着けたものは、
    普段使わない言語でも脳に住み続けているんだなと思いました。

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    1. ちちのんさん、コメントをありがとうございます。  
      私の父も認知症でした。   父は外国語は話しませんでしたが、子供の頃に習ったピアノを、何十年も弾かずにいたのに、楽譜を見て弾いているのを見た時には、とても驚きました。
      お父様は、英語がしっかり身についていらしたから、頭の中に住み続けているんでしょうね。

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